中村 誠一 Zone MeshLab を立ち上げたのは2018年の春、東京・文京区の小さな賃貸オフィスでした。それ以前は大手精密機器メーカーの解析部門に10年いて、毎日のように粗悪なメッシュデータと格闘していました。市販のツールは高価で、操作が複雑で、日本語のサポートはほぼ皆無。「自分で作った方が早い」と思ったのが、正直なところです。最初の1年は、昼間は受託解析の仕事をこなしながら、夜にコードを書いていました。
転機は2019年の秋でした。知人の医療機器メーカーが CT データから骨格モデルを作る作業に困っていて、試しに使ってもらったところ、処理時間が従来の3分の1になったと言われました。その話が口コミで広がり、翌年には製造業・建築・医療の3分野から問い合わせが来るようになりました。2020年のコロナ禍でリモートワークが広がったことも追い風になりました。設計者が自席で完結できるツールへの需要が、一気に高まったのです。