点群データは、形状の「骨格」を持っていますが、そのままでは面(サーフェス)がありません。3D プリントや FEA に使うには、点の集合からポリゴンのサーフェスを作る「サーフェス再構成」が必要です。この処理は手順を間違えると、穴だらけのメッシュや、実形状とかけ離れた結果になります。
ステップ1:ノイズ除去 ¶
スキャンデータには必ずノイズが含まれます。LiDAR では反射の多重経路による外れ点、CT では金属アーチファクトが代表的です。Zone MeshLab のノイズ除去フィルターは、統計的外れ値除去(Statistical Outlier Removal)とラジアス外れ値除去(Radius Outlier Removal)の2種類を搭載しています。まず統計的外れ値除去で大きな外れ点を取り除き、次にラジアス除去で孤立した点を整理するのが基本的な順序です。
ステップ2:法線推定 ¶
サーフェス再構成には、各点の「法線(面の向き)」が必要です。法線が正しく推定されていないと、サーフェスが裏返ったり、穴が生じたりします。法線推定の精度は、近傍点数(k 近傍)の設定に大きく依存します。Zone MeshLab のデフォルトは k=10 ですが、スキャン密度が低い場合は k=20〜30 に増やすと安定します。推定後は法線の向きを可視化して、全体が一方向を向いているか確認してください。
ステップ3:ポアソン再構成 ¶
法線が整ったら、ポアソン再構成(Poisson Surface Reconstruction)でサーフェスを生成します。オクターブ深度(Octree Depth)パラメーターが品質を左右します。深度8〜10が一般的な出発点で、深度を上げるほど細部が再現されますが、処理時間とメモリ使用量が増えます。1億点を超えるデータでは深度10以上を使うと、32GB RAM でも処理が厳しくなることがあります。まず深度8で全体の形状を確認し、必要な部分だけ深度を上げる方法が現実的です。
よくある失敗:穴と余分なサーフェス ¶
再構成後のメッシュに穴が残る場合、多くはノイズ除去が不十分か、法線の向きが混在しています。Zone MeshLab の穴埋めツールは、穴の輪郭を検出して自動補完しますが、大きな穴は形状の推測が難しいため、手動で確認することを勧めます。逆に、余分なサーフェスが生成される場合は、ポアソン再構成の密度フィルター(Density Filter)の閾値を上げると、低密度領域のサーフェスを除去できます。
点群からサーフェスへの変換は、パラメーターの調整が結果を大きく左右します。実際のデータで試しながら感覚をつかむのが一番の近道です。トライアル版でファイルサイズの制限なく試せます。